ぼくりり一周忌

ぼくのりりっくのぼうよみが自らを葬ってから、一年が経った。私はぼくりりが自分を葬る瞬間を目の前で見ていた一人だ。

 

私は、ぼくりりの曲が、言葉が、歌い方が大好きだった。途中から、何かつらいものを背負って歌っているように聴こえていた。私は心配しながらも、彼の世界にのめりこんでいった。そして、勝手に彼の曲を心の支えにしてしまっていた。こんなに惹かれたのは、初めての経験だった。

 

ぼくりりの葬式前夜祭も葬式も、私はただ座って呆然と曲に聴き入ることしかできなかった。きちんと聴いていたはずなのに、あの場にいたはずなのに、私はあの日のことをあまり覚えていない。それでもあのときの深い深い喪失感と胸の痛みだけは、忘れない。彼の葬式の後、セトリをあげたり、ライブの感想を詳細に書いている人もいた。でも、私はどうしてもできなかった。彼のことは、どうやっても文章に記せなかった。

 

そして、31日に彼のファンサイトが閉じたとき、私は泣いた。

 

今日だけは、彼のことを静かに思い出そうと思う。