書くことの責任

 文章を書く人間として、コロナで外に出掛けられなくなったり、仕事がなくなったり、お店がつぶれてしまったり、たぶん将来、歴史の教科書に載るような事態で何も書かないのは無責任だと思う。けれど、何を書けばいいかわからず、だらだらとここまで来てしまった。今日はもう4月24日で、緊急事態宣言が出されてから、もう何週間も経っている。

 その間、私は会社に行かなくてはいけないのに、土日はどこも出かけられず、やりきれない思いで生活していた。旅行や友達と会うことも好きだけれど、私は何より当てもなくふらふらと出かけることが好きだった。会社の帰りや休日、特に何も考えず出かけて、店を眺めて好きなものを食べて買って帰る。何も考えていない時間が大切だったのだと思う。

 でも、その楽しみを全て奪われて、仕事だけを淡々とこなす。毎日、電車やバスに乗らないといけないし、職場には密集した空間に200人近い人が詰め込まれている。テレビでは毎日、感染者が増える。ちょっと気が狂いそうだった。

 上司に懸命に働きかけて、今はやっと週数回の在宅勤務が認められた。職場も人数も減らしたので、今は前より安心して仕事ができる。それでも、電車に乗らないといけないし、人と接触することもあるから油断はできない。

 コロナで失職することはなさそうだし、ありがたいと思って仕事をするしかないと思う。給料が安いとか、昭和の体制だとか言いたいことはたくさんあるけれど、今はあまり文句を言っている場合ではない。以前のように淡々と仕事をこなすだけだ。

 空いた時間はもっと文章を書いて、混乱した世の中で私が感じていることを発信していく責任がある。