ココナッツの香り

風呂上がりにボディクリームを塗っていてると、ふいに泣きそうになる。ああ、そうだ。これはハワイのホテルでもらったものだ。ホテルの無駄に広いバスルームが思い浮かぶ。石鹸も何もかもココナッツの香りで気にいって、持って帰ってきた。 膝にボディクリー…

書くことの責任

文章を書く人間として、コロナで外に出掛けられなくなったり、仕事がなくなったり、お店がつぶれてしまったり、たぶん将来、歴史の教科書に載るような事態で何も書かないのは無責任だと思う。けれど、何を書けばいいかわからず、だらだらとここまで来てしま…

ぼくりり一周忌

ぼくのりりっくのぼうよみが自らを葬ってから、一年が経った。私はぼくりりが自分を葬る瞬間を目の前で見ていた一人だ。 私は、ぼくりりの曲が、言葉が、歌い方が大好きだった。途中から、何かつらいものを背負って歌っているように聴こえていた。私は心配し…

客観視すること

客観視することが得意だった。特に自分のことにおいて。 学校を決めるときも、就職をするときもそうだった。これくらいのレベルなら、大丈夫だと、自分で自分をまるで後ろから視るように判断した。そして、人から過度に期待をされるのが怖かった。 だから、…

私は部屋が片付けられない

やりたいことがあるのに、どうにも時間がない。時間がないことを言い訳にしたくないと思って、2019年を過ごしてきた。行きたいところには全部行って、参加したいイベントには全部出て、会いたい人には全員と会おう、そう思った。 でも、気がつけば、時間があ…

ノンセクの看板を掲げて文フリに出るということ

去年の夏頃のことだったと思う。私は、一つの物語を書き終えたところだった。 私はまだモヤモヤとした気持ちを抱えたまま、生きていた。ノンセクの私を受け入れてくれる彼とやっと出会えたのに、私はその彼と連絡が取れなくなっていた。彼は私のことなんて、…

ノンセクを意識する前の恋愛

私はノンセクなのにどうしようもないくらい惚れやすい。 中学のとき、大好きな人がいた。3年間ずっと好きで、中学卒業間近に付き合い始めた。この頃は良かった。お店に入るお金がなくても、ただ二人で土手を散歩しているだけで良かった。当時は、性的なこと…

Aセクシャルという言葉を知った日

高校生の私は、ある本を手に取って震えていた。 興味のある分野を探そうと、進路指導室にある本を漁っていた私が手にしたのは、「ジェンダーがわかる。」(アエラムック)という本だった。 そこに書かれていたのは、「Aセクシャル」性的欲求を他人に求めな…

ノンセクシャルって?

ノンセクシャルという言葉をあまり聞いたことがないかもしれない。 LGBTの人が多く集まる場ですら、「ノンセクです」というと、珍獣扱いだ。「初めて見ました!」と興奮気味に握手を求められたことさえある。 ノンセクシャルとは、恋愛感情を抱いても、相手…

全てが過去に流れて行った日のこと

彼氏と連絡が取れなくなって、はや一年半。もう忘れよう。新しい出会いを探さないと私が腐ってしまう。 そんなとき、私は気まぐれにLINEで彼の携帯番号を検索してみた。ふと見ると、彼のドヤ顔アイコンが出てきた。うつ病でなったはずなのに、なんていう…

世界が終わってしまった日のこと

去年の二月、一年くらい付き合っていた彼氏と連絡が突然取れなくなった。精神的に病んでいるような素振りを見せていたけれど、まさか連絡が取れなくなるなんて思ってもみなかった。 ノンセクのことをカミングアウトしても離れていかなかった稀有な人で、私は…

PCPD診断を受けてみて

Twitterで大人気の原山先生(@55555ya ) のイメージコンサルティングを受けに行ってきた。詳細なレポートは他の方も書いているので、私が感じたことを中心に書きたいと思う。 ファッションに悩んでいて何を着たら良いか悩んでいる人は是非、診断を受けてみ…